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胆道がん

胆道癌について

胆道癌とは、胆道(胆汁の通り道)にできるがんの総称です。

胆道は以下の3つの部分から成り立っています:

 

胆管:肝臓から十二指腸までの胆汁の通り道 肝内胆管、肝外胆管に分けられる

胆嚢:胆汁をためる袋

十二指腸乳頭部:胆汁の出口 十二指腸につながっている

 

 

癌の名称

発生部位

備考

胆管癌

胆管

最も多い胆道癌。血液検査をきっかけに発見されることが多い。

胆嚢癌

胆嚢

症状がでにくい。CTや腹部エコーで発見されることが多い。

十二指腸乳頭部癌

十二指腸乳頭部

早期に症状がでやすい。胃カメラで発見・診断されることがある。

 

 

年間罹患者数

胆道癌は年間の罹患者数が男女合計で24,000人程度です。

 

 

 

本邦では胆道癌により年間2万人ほどの方が亡くなられています。

難治の癌のひとつであり、欧米諸国よりもアジアで増加傾向であると言われています1-2)

 

 

 

 

 

胆道癌の危険因子

・膵胆管合流異常症

・原発性硬化性胆管炎

・B型、C型肝炎ウイルス感染症

・肝吸虫感染

上記疾患を有する場合は、胆道癌のリスクが高まることが言われています。

いずれも胆道に持続的な炎症が起き続けることによると考えられています。

 

そのほか、家族歴、肥満・糖尿病、喫煙、化学物質の暴露(1,2-ジクロロプロパンやジクロロメタン)などが関連すると言われています。

 

胆道癌の症状

初期には自覚症状が出にくいですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。

 

黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)

腹痛(右上腹部)

体重減少・食欲不振

発熱(胆管炎を併発した場合)

褐色の尿、白っぽい便

 

これらは主に、癌により胆汁がうっ滞することによりおこる症状です。

 

 

胆道癌の検査・診断法について

1血液検査

胆汁が鬱滞している場合は、血液検査でAST, ALT, γ-GTPやビリルビンの上昇がみられます。これに加え、腫瘍マーカー(主にCA19-9、CEA)の上昇も確認されることがあります。

 

2画像検査

腹部超音波検査、CT、MRI、超音波内視鏡検査、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)による画像診断を行います。

 

3細胞診や生検

内視鏡を用いた細胞診断、組織診断により、診断の確定をおこないます。

ただ胆嚢癌に関しては、組織採取が難しいこともあるため、画像により診断を確定させ、治療に進むケースもあります。

 

基本的には1→2→3というステップをふみ診断を確定させていきます。

 

 

治療について

・手術

癌が局所にとどまっていれば、根治を目指して外科的切除を検討します。

腫瘍の発生部位や広がり方により、手術前の準備や術式が大きく異なります。

 

・化学療法

手術が難しい場合の標準治療です。手術後の再発防止のためにおこなうこともあります。

 

・放射線治療 陽子線治療

痛みといったの症状を緩和する目的で行うことがあります。

また肝内胆管癌の場合に陽子線治療が適応となる場合があります。

 

・胆道ドレナージ

鬱滞した胆汁の通り道を作る処置になります。

内視鏡を用いて行うことが多いですが、体の表面から胆管を穿刺する場合もあります。

 

胆道癌は膵癌と同様に、早期発見が難しい癌の一つです。

気になる症状がございましたら、お早めにご相談ください。

 

1) Kirstein MM, et al. Visc Med 2016;32:395-400.

2) Torre LA, et al. CA Cancer J Clin 2015;65:87-108

 

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