胸やけ
胸やけは、みぞおち上部から背中上部に感じる灼熱感のことであり、ひどくなれば痛みを感じることもあります。
胸やけの原因は様々な要因による食道粘膜の刺激および運動障害と考えられています。
胃の内容物や胃液が食道に逆流することや、食道粘膜が敏感になること(感受性亢進)などが原因となっています。
胃の内容物が食道に逆流しないよう、逆流防止のために下部食道括約筋という食道を締める筋肉が存在します。
この下部食道括約筋が障害され、下部食道の圧が下がることで胃内容物が食道に逆流しやすくなります。
また胃から先へ食事を運べない場合、胃の運動の亢進、胃の外側の圧の亢進も逆流の原因となります。
下部食道括約筋の圧が下がる原因
膠原病 | 強皮症 混合性結合組織病 |
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内分泌性 | 妊娠(エストロゲン・プロゲステロンというホルモンの上昇+腹圧上昇) |
薬物 | カルシウム拮抗薬 抗コリン薬 テオフィリン 経口避妊薬(プロゲステロン含有) |
嗜好品 | 喫煙 アルコール コーヒー 香辛料 |
胸やけをきたす疾患
胸やけをきたす疾患については、下記の疾患が挙げられます。
食道 | 胃食道逆流症 食道裂孔ヘルニア アカラシア 好酸球性食道炎 食道癌 食道異物 食道痙攣 食道感染症 腐食性食道炎 |
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胃などの上部消化管 | 胃潰瘍 胃癌 機能性ディスペプシア 糖尿病 強皮症 など |
腸疾患 | 炎症性腸疾患、十二指腸腫瘍、小腸腫瘍、大腸腫瘍 |
手術後 | 胃などの消化器関連臓器の術後 |
胸やけに対する検査としては、胃食道逆流症の有無のほか、悪性腫瘍や炎症性疾患の有無などの評価を行うことができるため、可能な限り胃カメラを行うことが推奨されております。
治療については原因疾患の治療が第一となりますが、胃食道逆流症単独か合併していることも少なくないため、胃酸の分泌を抑える薬が有効であることが多いです。
症状でお困りの際はぜひご相談ください。